猫がとらえる世界 – どう見て、聴いて、感じ取るのか
私たちにとってとても身近な存在である猫たち。
その愛くるしいしぐさや、マイペースな性格から、家族に迎え入れるペットの筆頭格の存在ともいえます。
猫と私たち人間との友情や愛情は確かなものですが、そんな猫たちからはどんなふうに世界が見えているのでしょうか?
あるいは私たちの姿がどんなふうに見えているのでしょうか?それを知ることは簡単ではありません。
しかしながら、私たち人間にも備わる五感が、猫たちにも同じように備わっていて、
それがどのように働いているかを知れば、猫たちが見ている世界を私たちが知るヒントになります。
そしてそれが分かれば、私たちは猫たちの世界をより深く知り、その気持ちを感じ取ってあげられるヒントになるはずです。
さらにはきっと一緒により素敵な時間を過ごせるようになるでしょう。
ここでは猫の五感それぞれに注目しながら、私たち人間との違いも踏まえて猫たちのものの感じ方やとらえ方をみてみたいと思います。
猫たちはどんな風に世界を見て、聴いて、感じ取っているのでしょうか?
触覚
まずはじめに、猫の触覚からみていきたいと思います。
猫の身体のうち足先や肉球、鼻、ひげが触覚としての働きをもつとされています。
そのうち、猫は触覚的には足先と鼻が他の部位に比べて特に敏感といわれます。
例えば猫が初めて見るおもちゃに気づいたときには、ゆっくりと近づき、
まずはおそるおそるそのおもちゃに足先で触れて、それから次に鼻でにおいを嗅ぐように、そのおもちゃを確かめている様子が見られると思います。
こうして猫は、感覚の優れた足先や鼻を使って、いろいろなモノを確かめているんですね。
肉球
ぷにぷにとした柔らかさで、その独特の感触が大好きな方も多いと思います。
肉球は接触や振動に非常に敏感にできていて、触れるものの感触を正確に感じ取ることができます。
肉球をなでられるのを嫌がる猫もいると思いますが、それは肉球が敏感だからなのですね。
肉球は敏感に触覚を感じ取ることができる一方で、不思議なことに実は温度に関しては鈍感です。
猫がどのように温度を感じ取っているかは、次にご紹介します。
鼻で温度を感じる
肉球が温度をあまり感じ取っていないとご紹介しましたが、
猫にとって、温度を感じ取るのはおもに鼻と上唇の役割です。
食べ物や周りの温度、気温などは鼻と上唇を使って感じ取っています。
逆に体のそれ以外の部分は温度に対して鈍感です。
例えば冬になると猫がストーブの前に陣取って温まっている姿を見かけることがありますが、温風を直に受けても熱くは感じていないのです。
人間は44℃以上は熱いと感じますが、猫の場合はおよそ52℃までは平気なのだそうです。
だから、ストーブの前のような「そこ熱くないの?」と思ってしまうような場所でも、ご機嫌そうにしているんですね。
ひげ
また、猫のひげも触覚として大きな役割をもっています。
ひげは非常に敏感な感覚器官で、猫にとっての見る・感じ取るという機能を果たしています。
ひげは厳密には洞毛(どうもう)と呼ばれる器官のひとつで、上唇だけでなく、目の上やあごにも生えていて、動くものやかすかな風に反応しそれらを感じ取っています。
猫のひげは体毛よりも深い部分から生えていて、ひげのわずかな揺らぎも増幅させて神経に伝達され、その動きと方向を感じとり、周囲の状況について詳細に感知されます。
いわば、ひげをはじめとした洞毛のまわりには一種の「場」が形成されている、といった様子です。
その「場」の範囲内では、わずかな空気の揺らぎや乱れがひげで増幅され神経に伝わり、感知できるようになっています。
そうして、周囲にあるものの存在を感じ取っているんですね。
視覚
猫のかわいらしさや魅力の1つが猫の目です。
猫の目は顔の大きさの割におおきくて、その点が人間の赤ちゃんに似ているということが、きっと私たちにとって可愛くみえる理由でしょう。
そんな目で見る、猫の視界はどのようになっているのでしょうか?
猫の視界は人間ほどは色彩を認識していないといわれます。
とはいえ完全にモノクロの視界ではなく、ある程度は色を認識できるのだそうです。
意外に感じるかもしれませんが、猫たちはもともと黄昏時に狩りをするので、色をはっきりと認識することは重要ではないのです。
猫の視界で一番よく見えるのは2~6メートルくらいのところで、近くにあるものにはあまり焦点が合わないと考えられています。
一方でほんの小さな動きも見逃さないようになっていて、脳にある特殊な神経細胞は視覚から入ったほんのわずかな動きにも反応するようになっています。
狩りをする動物としての、とても重要な資質ですね。
猫の目が光るのは・・・
夜に車のライトに照らされた猫の目が光っていたり、フラッシュを使って写真を撮った猫の目が光っているのを見たことがある人は多いと思います。
これは、猫の目の網膜の後ろにあるタペタム(輝膜こうまく)と呼ばれる色素層が鏡のような役割をしているからです。
カメラのフラッシュの光がそこに反射して、目が光っているように写真に映る、というわけです。
ちなみに、古代エジプトでは猫は聖なるものであるとされていたそうですが、それはこの、光る目が理由なのだそうです。
そしてこのタペタム(輝膜こうまく)は、猫が暗い中でもものが見えるための重要な役割をしています。
このおかげで、猫は人間と比べて、六分の一の明るさでも物が見えるといわれます。
つまり、猫は私たち人間にとってはほとんど真っ暗闇と感じる暗さの中でも、不都合なくものが見えているのです。
目の色
猫の目の一番の特徴のひとつは、成猫になったときの目の色かもしれません。
の目の色は黄色、緑、青、紫、オレンジと、さまざまです。
猫たちそれぞれに色の違うこれは猫の目のうち虹彩(こうさい)と呼ばれる部分の色で、瞳孔の大きさを調整して、適切な量の光が目に入るようにするものです。
明るいところでは、猫の目は中央に縦線が入ったように見えるのは、この虹彩が瞳孔を覆っているからなんですね。
その色が、猫の特徴的な目の色を見せているということです。
聴覚
猫は人間が聴くことができるよりも、さらに高い周波数の音を聞き取ることができます。
人間はおよそ20キロヘルツという周波数までしか聞き取ることができないのに対して、猫はおよそ60キロヘルツまで聞き取る事ができます。
これは、猫が人間には聞き取れない、小さなネズミが立てるかすかな音さえ聞き逃さない聴覚を持っている、という事をあらわしています。
また、人は耳をほとんど動かすことはできませんが、猫の耳はよく動き、左右別々に180度回転するので、頭を動かさずに耳だけを動かして、周囲の音全てを拾うことができます。
これにより、猫は視覚だけに頼ることなく、音を聴いてその方向を感じ取り、そうして獲物の位置を正確に割り出せる、ということになります。
猫と一緒に遊ぶ時、音の出るおもちゃを使う方が、猫の反応が良いのはこうした理由であるともいえそうです。音の出るおもちゃを好むのはこのような、狩りに適した聴覚をもっているからなのです。
嗅覚と味覚
猫の嗅覚は、犬には及ばないものの、私たち人間よりははるかに優れていて、様々なにおいや物質をかぎ分けているといわれます。
例えば、猫は肉のにおいや肉の脂肪のにおいで、その種類をかぎ分けることができます。
そのため、そのにおいで好みの食べ物とそうでないものをはっきり区別しているといえます。
また、猫の嗅覚は、他の猫のにおい、人間のにおい、猫以外のペットのにおいなどを識別する、コミュニケーションのツールとして機能します。
猫はあちこちに体をこすりつけて、臭腺から出る自分のにおいをつけますが、そうしたにおいは縄張りを示すものとして機能したり、仲間に自分の存在を示したりする役割を果たします。
そうすることで、猫どうしのコミュニケーションを果たしているといわれます。
猫の味覚については、猫も人間と同じように舌で味を感じます。
なめたり、液体をすくって飲んだり、噛んだりして口に入れたものを識別しています。
そうして識別した温度と味を敏感に感じ取ることができる猫の舌ですが、実は甘みを感じないということは驚きです。
嗅覚と味覚の組み合わせ フレーメン反応
猫が何かのにおいを嗅いだ時、その直後に驚いたような表情をしているのを見たことがある方は多いと思います。
ご存じの方も多いと思いますが、これは「フレーメン反応」といわれ、猫がある種のにおいを嗅ぐときにできるだけ強く感じ取れるように行う反応です。
この時猫は、口の中で上あごの前歯の裏のあたりにあるヤコブソン器官という管に空気を送り込むことで、においを凝縮させ、またそのにおいの「味」を感じ取ることができるそうです。
このような、ヤコブソン器官ににおいの空気を送り込もうとする猫のしぐさや顔の表情が、私たち人間にとってはなんだか驚いているように見える、ということなんですね。
このように、猫は鋭い味覚と、特に嗅覚をもっているということを知り、猫がそれら味覚と嗅覚から何を感じ取っているのかを知ることは、きっと猫の行動を理解する大きなヒントになるでしょう。
たとえば年齢とともに味覚や嗅覚が鈍ったり、また病気をしたりしたときには、食べ物を少し温めて匂いがするようにして用意したり、普段より香りの強い食事を用意してあげると、その香りから食欲を取り戻す助けになるかもしれません。
第6感?
猫には自然災害や天気の変化を予知する不思議な能力があるのではないか?と考えてしまうようなエピソードは枚挙にいとまがありません。
それらは共通して、嵐や地震といった自然災害の前に、猫たちが普段とは違った行動をとっているといった類のものです。
なぜ猫がこういった出来事を予知できるのか、という事にはさまざまな説があります。
例えば雷雨のときには、膨大な電気が雲の中に放たれていて、電磁波が空中を何百キロも拡散し、大気は陽イオンにに満たされて、それが脳の中の特定の化学物質に影響するといわれます。
猫はこうしたイオンに敏感で、それにより脳に起きた変化によって、気分や行動の仕方が変化し、普段とは異なった様子を見せる、と考えられています。
人間でも天気が悪くなる前に頭痛がするということがありますが、そうした変化に近いのかもしれません。
また猫は、前述のヤコブソン器官のはたらきで、空気中のごくわずかな粒子を感じ取り、そしてその後に起こるもっと大きな変化を感知しているという説もあります。
たとえば、火山の噴火にはガスの放出を伴いますが、大きな噴火の兆候が表れる前に、猫がわずかに放出され始めた火山ガスをかすかに感じ取って、普段とは異なる行動を起こすといった事です。
さらには猫のひげは振動に敏感なので、地震の前に起きるごく小さな振動を感じ取っている、という可能性も考えられます。
猫のひげが敏感に振動を感じ取り、耳で人間には聞くことのできない超音波を聞き取っている、とするならば、嵐や地震の前兆は猫にとっては特に注意深くなくとも明らかなもので、私たち人間が気づくずっと前から、まだほんの小さな段階で察知できる、ということなのかもしれませんね。
猫がとらえている世界
こうした猫の五感、あるいは第六感をイメージしながら、猫がとらえている世界を想像してみましょう。
きっと下記のような世界が広がっているはずです。
・鼻と唇だけは人間と同じくらい温度に敏感で、それ以外はあまり温度をはっきり感じない
・見えている世界はくすんだ青と緑をしていて、ものの輪郭はぼやけてみえる
・夜の完全な真っ暗闇でも、赤外線カメラを使っているようにものが見えるので、夜間でもつまづいたりしない
・顔のまわりの毛が「場」をつくっていて、ほんのわずかな空気の流れでも感じ取ることができる
・ごくわずかなねずみの鳴き声を聴いて、同時にその場所がどこか瞬時に認識できる
・目を閉じて部屋に入っても、においで誰がそこにいるか、最近まで誰がそこにいたかまでが分かる
・においで肉の種類を区別することができる
・また、そのにおいの味を感じることができる
猫の目から見た世界の色合いのイメージ
猫の世界を理解すること
このようにしてみると、猫は私たち人間とはずいぶん異なったもののとらえ方、感じ取り方をしてることがわかります。
もちろん、人間と同じように五感を備えて世界を感じ取っているのは同じですが、私たちの感じ取ることのできない領域の音や空気の流れや香りさえも、繊細に感じ取っているのです。
猫たちが見て、聴いて、感じ取っている世界を知り、また想像力を働かせることによって、
私たちは猫とどのように接するとより仲良くなれるのか、何が猫たちにとってのやさしさになるのか、ということに気づくことができるようになるはずです。
このように、相手の事を理解しその立場からものごとを捉えてみることの有用性は、私たち人間と猫という関係だけのものではなく、人間と他の動物たち、あるいは人間同士についても同じかもしれません。
このような視点を持つことで、身近な猫たちと過ごす時間がお互いにもっと楽しく、和やかなものになると素晴らしいですね。
ペット愛葬社 石郷岡
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